家電の世界で「3D元年」が声高にうたわれているように、テレビやプロジェクター、果ては携帯ゲーム機まで、最近の映像表示デバイスは「3D立体視」が重要なキーワードになっている。
【拡大画像や他の画像】 【表:ベンチマークテストの結果】
例えばテレビでは、ソニーの「3Dブラビア」、パナソニックの「3Dビエラ」、シャープの
戦記 RMT
「AQUOSクアトロン3D」、東芝の「CELL REGZA」、三菱電機の「REAL MDR1」シリーズといった具合に、3D立体視機能を持つモデルが目白押しだ。ただし、こうしたテレビはなかなか気軽に手が出せない価格でもある。
3D立体視の仕組みとしてはアクティブシャッター方式のメガネを利用するフレームシーケンシャル方式や、偏光フィルターのメガネを用
いる偏光方式など、さまざまな方式がある。また、PCの世界でも家電の3Dテレビと同様に、アクティブシャッター方式を採用するNVIDIAの「3D Vision」などがソリューションとして存在している。
NVIDIAの3D Visionが家電の3Dテレビと違うのは、既存のPC環境に“後付け”で3D立体視システムを追加できることだ。しかも3Dテレビのように何十万円もかけて新
Le Ciel Bleu RMT
たに本体ごと購入する必要はない。3D Visionの場合は、倍速駆動(垂直同期周波数120Hzに対応)のディスプレイ、対応グラフィックスカード、そして専用グラスを既存の環境に組み込むことで、3D立体視のシステムを安価に構築できるのだ。パーツ交換が当たり前のようにできるPCならではのメリットがこれだろう。
とはいえ、倍速駆動の液晶ディスプレイ
と専用グラス、対応グラフィックスカードをそろえるとなると、セットアップに手間がかかるのも事実。自分で個別にそろえた結果、相性問題で動作に不具合が発生する可能性ないとはいえない。それならいっそのこと、あらかじめそれらがセットになっている3D立体視対応のデスクトップPCを購入してしまうのはどうだろうか。今回紹介するマウスコンピューターの
「Lm-i722E2-3DV」は、3D Visionに対応するフルセットを13万9860円という手ごろな価格で購入できるモデルだ。
●ゲームをプレイしない人に映像用の3D立体視を提供
ミニタワー型のLm-i722E2-3DVは、CPUにClarkdale世代のCore i3-540(3.06GHz/2コアでHyper-Threadingによる4スレッド実行、Turbo Boost Technologyには非対応)を標準採用し、BTOメニ
ューでは最高でCore i7-880(3.06GHz)まで用意されている。ClarkdaleなのでCPU統合GPUも利用できるが、3D Vision対応グラフィックスカードとして別途ZOTACの「NVIDIA GeForce GT240 1GB」(グラフィックスメモリは1Gバイト)が装着されている。
チップセットはIntel H55 Expressで、MSIの「H55M-P33」というmicroATXマザーボードを搭載。PCI Expressの
ソウルアライブ RMT
x16スロットが1基、x1スロットが2基、最下部にPCIスロットが1基と拡張性はやや心もとないが、将来的に2スロットを占有するような大柄なグラフィックスカードを装着するようなことがなければ、地デジ対応テレビチューナーカードと次世代のUSB 3.0対応カードくらいは装着できる。
メインメモリは4Gバイト(2Gバイト×2、DDR3、PC3-10600)で、空いて
Soul Alive RMT
いるスロットは2基。チップセット的に認識可能な容量は最大16Gバイトなので、OSに64ビット版Windows 7を選択した場合は、2Gバイトモジュールを2枚追加した計8Gバイトくらいあれば、より快適になるだろう。
インタフェースとしては、USB 2.0が背面に6ポート、本体前面下部に2ポートの計8ポート、内部のSerial ATAポートは6ポート(eSATAは非対応)
と数的には十分だ。ミニタワー型なので内蔵HDDは1台の追加が精一杯といったところで、将来的に追加する場合は十分な容量を確保するようにしたい。搭載する光学ドライブは10倍速のBlu-ray Discドライブだ(BD書き込み対応/DVDスーパーマルチ機能搭載)。なお、試用したマシンのOSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumだったが、32ビット版も選択することもで
きる。
こうしたスペックから見ても、本機がターゲットとするのは、動画から3Dゲームまですべてを存分に楽しみたい人ではなく、どちらかといえばゲームはあまりプレイしないが、今後登場してくるであろうBlu-ray 3D対応タイトルや既存のDVDタイトルを疑似3D化して楽しみたい、といった映像関連の3D立体視を重視する層だ。そうした目的を満たすため
のスペックとしては十分である。ちなみに、3Dゲームを立体視で楽しみたい向きには別途ハイスペックなモデルも用意されているのでそちらを選べばいいだろう。
●付属の液晶ディスプレイは23型フルHDの倍速駆動モデル
本機に付属している液晶ディスプレイは、LGエレクトロニクス?ジャパンの23型ワイドモデル「W2363D-PF」だ。NVIDIAの3D
Visionをサポートする120Hz駆動のディスプレイで、液晶パネルはTN方式、画面アスペクト比は16:9、画面解像度は1920×1080ドットのフルHD、表面処理はテカテカではないノングレア(非光沢)タイプとなっている。この液晶ディスプレイに関しては、“120Hz駆動の「W2363D-PF」と超解像の「E2350VR-SN」を試す”で詳しくレビューしているので参考にしてほしい。
この液晶に加えて、NVIDIAの3D Vision専用3Dグラスセット(USB接続のIRコントローラと3Dグラス本体、ドライバ&ツール類)が標準で付属しており、さらに3D立体視に対応した再生ソフトとして、CyberLinkの「Media Suite 8.0 for Blu-ray マウスコンピューターオリジナルエディション」が付属する。
●「TrueTheater 3D」による疑似3D表示はタイトル
に依存する
動画再生ソフトの「PowerDVD」を起動すると、3D Visionを認識して3D立体視による動画再生が可能であるというメッセージが表示される。PowerDVDにはBlu-ray 3D以外にも、2D映像を疑似3D化する「TrueTheater 3D」が搭載されており、この機能を使って既存のDVDタイトルや動画ファイルを疑似3D化して表示できるようになっている。
そこで実際に3D Visionを有効にした状態で既存のDVDタイトルをいくつか試してみた。まず、アニメ関連などでは、まったく効果が見られなかったり、かえって見にくくなってしまったりといった状態がほとんどであった。一部、3DのCGが使われているタイトルなどでは、立体視が有効に感じるようなシーンもあったが、期待が大きかったこともあり、疑似3D化の効
果としてはやや残念な印象だ。
せっかくの3D化機能なのに有効に感じられないのも悔しいので、手持ちのありとあらゆるソースを試してみたところ、思いのほか効果を感じられたのが、意外にも(というか期待どおりというか)アダルト系のDVDタイトルだった。TrueTheater 3Dが人肌を判別するようになっているのかは不明だが、奥行き感というか「こんも
りと盛り上がった2つの丘」を明確に感じるタイトルもあった。ライター生命をかけてこの感動を記しておきたい(ちなみにタイトル名は伏せておくので、気になる方はいろいろと試して見つけてほしい。また、当然ながら問い合わせにはお答えできません)。
●性能的には中庸だが3D Vision対応の魅力は大きい
さて、いつものように各種ベンチマー
クを用いて、システムパフォーマンスもチェックしておこう。前述したように、本機は3Dゲームプレイを想定した製品ではなく、あくまで3Dコンテンツの視聴に主眼に置いたモデルのため、それほど高い性能を求められるわけではない。とはいえ、ある程度の性能は確保されていることに越したことはないだろう。
まずはWindows7のエクスペリエンスインデ
ックスから見ていこう。最高のスコアはCPUの6.9で、メモリとHDDが5.9、Windows Aeroおよび3Dゲーム用グラフィックスがそれぞれ6.6となった。オール7超えといったハイエンドマシンとは比べるべくもないが、Windows 7を快適に操作するだけの十分な性能は確保されている。
次はおなじみのベンチマークテストだ。計測したのは、いつも通りPCMark05、
PCMark Vantage、3DMark 06、3DMark Vantageで、3Dゲーム系ベンチマークはFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3、LOST PLANET体験版&ベンチマークDirectX 10版、THE LAST REMNANT体験版&ベンチマーク、そして重いと言われるFINAL FANTASY XIV Official Benchmarkである。また、ゲーム関連のベンチマークに関しては、フルHDでのプレイは厳しいと判断し、フルHD
以外に低解像度(1366×768ドット)でも計測した。なお、ゲーム系ベンチの計測時は3D Visionは無効にしている。
各種ベンチマークの結果を見てみると、DirectX 9世代のゲームなら満足に動かすことも可能だが、DirectX 10ベースや最新のFINAL FANTASY XIVとなると、かなり厳しいのが分かる。負荷の高い3Dゲームをプレイするとなると、(そもそもの製品主
旨が違うが)1枚のカードに2つのGPUを搭載するような変則的なグラフィックスカードを別途装着するなどの工夫が必要になるだろう。
総合的に見ても、本機の性能は中の上といった感じだ。ただ、仮に3D Vision非サポートのシステムに後付けで対応させるとなると、テレビより安いとはいえ6?7万円の追加投資は必要になってくる。一方、本機は初めから3D
立体視の利用を視野に入れており、将来的に3Dコンテンツが普及したときにも追加投資なしでそれらを楽しめるというわけだ。そのPCが14万円弱で購入できることを考えると、お買い得感は高いといえる。
また、システムに高い負荷をかけるベンチマーク中においても、動作音がうるさく感じることもなく、静音性に関しては優秀な部類に入る。ミニタワー
型で設置スペースもそれほど取らないので、動画再生用の個人向けシアターPCとしてはうってつけだ。今後登場してくるBlu-ray 3Dタイトルや、手軽に既存DVDの疑似3D立体視を楽しみたい人には是非おすすめしたいモデルだ。
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を作ってもらった
引用元:
Tera rmt